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「いつまで、冬が続くわけ。もう春分の日なのに。」と、私はみぞれまじりの雪が落ちてくる空をうらめしく見上げて、溜め息をついた。冬の終わりが「まぁ〜だだよぉ〜。」と、その語尾をいつまでも木魂させながら、山の上からみているみたい。さて、こんな日は、冷凍庫から牛肉の細切れを取り出し、ビーフシチュウでもつくろうか。以前は、ビーフシチュウといえばあの箱に入ったルウで作るものしかしらなかった。どこの家庭でも高級レストランでも、きっとでているのはルウを使ったものだと、ずっと信じていた。箱からルウをだして「本格的カレー」なんて言って作ってしまう現代便利文化の中育ってきたものだから、特に洋食系のものは、「実」から作ることができるということを思いつかなかったのかもしれない。が、ある時森で鹿を射止めてきた夫が「ベニソン(鹿肉) シチュ-」を楽々と作っているのをみて、シチュウ類がいとも簡単に、肉、野菜、水、ハーブに塩、胡椒でできるという、あたりにも当たり前の事を発見。(私と夫の間で、鹿狩猟に関しての是非を論じた上で、私も納得して、それは7年通してきた菜食主義を終えるきっかけの一つに。) 毎日料理をする中で、お肉を使うことはけっこう少ない。肉を取り扱う時の血の匂いや、グニャッとした感覚が好きではないし、もともと長年ベジタリアンだったから、自然と野菜中心料理に手も頭も進んでしまうみたい。それでも、お肉は、ありがたく週に1回、冬場は2回程、登場。 都会にいる頃はベジタリアンでも平気だった。でも田舎にきてからは、身体は冷えるし、肉体労働をする際にもそれではどうも力がでない。引っ越してきた当初、知り合った地元民とと食事をして、「私ベジタリアンなんです。」なんていえば、「だから都会者は、わかっちょらん。」なんてことをいわれてしまった。そう、わかっていなかった、動物を尊重した肉食もあるということを(といっても、それは全くの人間の視点から、考えたもでしかないかもしれないけれど。) もともと動物愛護から始まった私の菜食主義。ニューヨークに住んでいたある時、テレビで野生の動物の世界を見せる番組をみていて、「食うか、食われるか、何て大変な生き方!」と、なぜかその時繊細に思ってしまったことから、お肉を食べることをきっぱり止めた。ベジタリアンになって、料理にも工夫するようになったし、家計にも好影響だったり、体重も減って体調も良好。野菜のことを思うと嬉しくなって、ニューヨークのうるさいサブウェイに中でも青々したブロッコリーの姿を思ってニヤニヤしたりも。動物を工場のような所で飼育したあげく、屠殺して、それをきれいにパックしてスーパーに並べるのを買うのがともかくいやという気持ち。 が、アクワス村で友人宅に招待され、「これうちの豚のブーちゃんから作ったの、食べてみて。」なんてある時、ゴロンとお皿の上で横たわっているソーセージを勧められた。前日までは丸々としてかわいがられていたブーちゃんの姿を思い浮かべ、ベジタリアンでなくてもこれ食べないよ、と主人の気心が知れない、と私はあきれ、その思いを伝えると、ブーちゃんの飼い主は、「可愛がった動物だからこそ、ありがたく、その動物の命を感じながら食べられるんだよ。スーパーで買った肉だったらこうは、思えないよ。」との返答。「ふ〜ん、、、。」半分納得、半分疑いの思いで、その時はお手製ソーセージを目の前に張り切っている友人家族には悪いと思いながら、結局ブーちゃんを私は味わうことはしなかった。でも、この頃思うのは、だっだっ広い農場で農薬をまきながら機械的に作られた野菜と、大切にされながら飼育された動物の命を尊っとびながら頂く肉とでは、後者の方を選ぶ、ということ。その野菜を作るのにも、生態系がこわされているのだもの。ということで、時々、出元がわかって安心できるお肉を料理するようになった。 ラジオのニュースで、「食料危機を安ずるなら、皆少しづつ肉食から遠ざかった方が良い。」ということを耳にした。食肉動物を育てるのには、野菜や穀物を育てるのよりずっと広い土地と多量の水や資源が必要だからとか。食料にかんするいろんな事を思いながら、薪ストーブの上で久しぶりのお肉が柔らかく煮えてきた頃と、お鍋の蓋をとる。よい香りと湯気の中から、ゴロゴロおじゃが、人参、玉葱、トマトがののぞいている。前出のブーちゃんの飼い主から分けてもらった、牛のデイジーのお肉は、いそいで料理するとゴムみたいに固いのだけれど、こうしてストーブの上で時間をかけて煮こむと、円やかに。うちでとれた野菜達と仲良くトロトロになっていく。ストーブの上にかけておけば、その間にベアズランチ用のスープの仕込みもできるし、息子とお絵書きも可能。ビーフシチュウはスローフードの世話なし決定版。デイジー、ありがとうね。 《今日の実りのごはんレシピ---ビーフシチュウ 4人分》 牛肉300グラム (こま切れ、塊肉なら3センチ四方くらいにきって) 赤ワインと水 3カップ、玉葱1個、じゃが芋1個、セロリ、少々、人参1-2本 (野菜の量は好みで調節、じゃがいも大好きならたくさんいれて!。他の野菜も、 あいそうなものならどんどんいれてみて。) バルザミックビネガー(なければ、ワイン酢でも) 、トマトケチャップ、塩、胡椒、パプリカ、オレガノ少々、月桂樹の葉1-2枚、 忍辱 1、牛肉を刻んだ忍辱と玉葱といっしょにスープ鍋で少し炒める。 2、そこに、ワインと水を注ぎこみ、きった野菜をどっさりいれる。 3、塩、胡椒、ビネガー、スパイス等をいれ、煮込む。 4、弱火で煮込みながら、ケチャップを加える。 5、暖房用のストーブの上におなべをかけておくと便利。時々、チェックして。 6、沢山作っておいて、翌日も野菜等を新たにほりこんでちょっと煮込むのもまた美味しい! |
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